美容皮膚科の絶好の時期が到来しました・・・
季節は二十四節気「霜降」、いつの間にか朝夕冷え込む季節になってまいりました。先週のお茶のお稽古で、道場の床に紫式部(むらさきしきぶ)という茶花が飾られていて、紫の実の鮮やかなこと!秋の深まりを感じ入りました。
さて、何人かの患者さまから、「秋に入ったら、コラムやワンポイントアドバイスに、フォトフェイシャルなどの美容機器の紹介をしてくれると思って待っているんですが・・」というお声をいただき、遅くなってすみません・・今コラムで美容治療のご紹介をさせていただきます。
まずフォトフェイシャルですが、昨年、「M22」という機種に新しくしてから、治療の幅が広がりました!顔全体に色素斑がある場合に、例えばそこに肝斑が合併しているのか?していないのか?という見極めをしつつ、強く治療する部位は強めに照射するという、メリハリのある治療が可能になったと思っています。また夏の美容皮膚科学会で、酒さや赤ら顔(毛細血管拡張)に対する治療法についても学ぶことができました。今季は血管をターゲットとした波長を用いて酒さの「フォトフェイシャル治療」もしてまいりたいと考えております。一般皮膚科の診療でも酒さと診断する患者さまの割合も多く、その際一般皮膚科の外用と内服のみでは限界を感じるこの頃です。先日も当院非常勤の延山先生と、酒さの治療に「フォトフェイシャル治療」を組み合わせるとより効果が出るに違いないと話しておりました。
シワ、タルミに関しては、「HIFU」という機器を購入していきたいと考えておりますが、現在、機種の検討中です。いずれタイタンとジェネシスとを併用して治療をしていきたいと考えております。
そこまでは・・という方に、私が現在シワ、タルミとして比較的お手軽にお勧めしたいのが、今月のワンポイントアドバイスに掲載した「TCAピーリング」です。グリコール酸ピーリングやサリチル酸ピーリングと違い、TCAは真皮層まで浸透してコラーゲン増生を促します。TCAは強酸性で腐食性をもつので、刺激が強く顔には無理とされてきましたが、当院で使用している「TCAピーリング」は炎症を最小限に抑えた製剤で、当日は赤みがありますが約1日で赤みはひきますので、それほど日常生活の支障はないと思います。昨年当院で購入して以来、その効果を注意深く見てまいりましたが、ハリ感を感じ、小じわタルミなどの改善に効果的と思います。
最後に肝斑や色素斑の比較的濃い患者さまへのアプローチですが、色素斑の状態を見ながら、あまり刺激しないほうが良いのかどうか?の見極めをしっかりしていきたいと思います。夏の美容皮膚科学会で何人かの先生のご講演でも、色素斑があるからといってレーザーや光治療をすることが良いかどうか?の判断も必要であるとお話しされていました。その場合は「イオン導入」や「エレクトロポレーション」でゆっくり対応することが良い場合もあります。
また肝斑の患者さまの場合、「レーザートーニング」と併用して真皮の状態を整える治療も効果的であると考えており、今後も色々な治療を組み合わせた複合治療の更なる検討を進めていこうと思います。
今年は暑い時期が長引いたせいか?やっと美容の時期が来たように感じます。紫外線量が少なくなる時期ですので、是非この絶好の時期にお気軽にご相談していただけたら幸いです。
写真は、主人の東京の家近くにある、10月1日に実に3年ぶりにリニューアルオープンした「とらや赤坂本店」です。リニューアル前に頻繁に足を運んでいた私にとっては、待ちに待ったオープンです。写真にあるように、風格のある和の装いです。「簡素にして高雅」が設計のコンセプトであったそうで、檜がふんだんに使われています。店舗周辺にも檜の香りが漂っているほどだそうです。先日主人が買ってきてくれた生菓子に大感激!左上から時計回りに「秋の彩」、「山路の菊」、「栗粉餅」、そして「梢の秋」です。和菓子は本当に季節感豊かですね。この小さな空間の中にも秋が満ち溢れています。皆さま、どうぞ実りの秋を満喫してくださいませ。
次回からスタッフリレーが再開します。どうぞ楽しみになさってくださいね。