ニキビダニ皮膚炎について 6・7月のワンポイントアドバイス
ワンポイントアドバイス この時期に多いニキビダニ皮膚炎についてお話します
梅雨に入り、ムシムシした気候が続きますね。マスクをしているせいでさらに不快に感じるこの頃です。マスクによりできたニキビを「マスクネ」と呼ばれ、雑誌など特集がありますが、私はこの「マスクネ」と呼ばれている中の一部分、もしくはかなりの部分にニキビダニが関係していると考えております。
ニキビダニ皮膚炎の治療は、皮膚科の教科書をみてもこれ!というものはありません。また症状もその人その人で多岐にわたっています。当院ではこの2年間、コロナ禍のマスク生活で発症した可能性があるニキビダニ皮膚炎の患者様がたくさん受診しました。この2年間の蓄積で、診断のスキルもだいぶアップしましたし、その患者様の状態に沿った治療も、延山先生と共に確立してきたと思います。
ここ最近顔がムズムズしてブツブツもみられる。でもニキビとはちょっと違う??・・などのお悩みがある方は是非ご相談ください。
なおこのニキビダニ皮膚炎の基盤には酒さ、および 酒さ様皮膚炎(ステロイド外用などによる)が基盤にあることが多く、ベースの疾患の治療もしていく必要があります。
毛包虫症(ニキビダニ皮膚炎)とは?
ニキビダニ皮膚炎は毛包虫により引き起こされる皮膚疾患です。
以下の2項目を満たした場合、毛包虫症と診断できます。
□ 顔面や首に赤み、吹き出もの、皮膚の粗造(がさがさした状態)などの症状が一つ以上ある。
□ 病変部から毛包虫が数多く検出される。
ニキビダニ皮膚炎の臨床写真です
ニキビダニは顕微鏡では実際にこのように見えます
毛包虫が増殖するしくみ
日光にさらされると、皮膚の表面近くにある血管を構成する細胞から、毛包虫を攻撃する免疫を抑えるようにシグナルが出されます。
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毛包虫が生存しやすくなり、増殖します。
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毛包虫が免疫担当細胞から血管を構成する細胞へ、毛包虫を攻撃する免疫を抑えるシグナルを出させます。
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毛包虫がますます増殖します。
治療としては
毛包虫を抑える飲み薬や塗り薬、さらに炎症を抑える飲み薬や塗り薬を組み合わせます。
またベースにある酒さ、酒さ様皮膚炎の毛細血管拡張が強い場合は、美容機器(IPLなど)も組み合わせることもありますので、赤ら顔などでお悩みの方はどうぞご相談ください。